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日別アーカイブ: 2025年11月17日

小浜あぐりの米米日記~一粒のコメからはじまる物語🍚~

皆さんこんにちは!

小浜あぐり合同会社、更新担当の中西です。

~一粒のコメからはじまる物語🍚~

 

 

先ほどは麦のお話をしましたが、
今回は日本の食卓になくてはならない**「お米」**について、
米農家の立場からお話ししてみたいと思います。

  • 「お米って、どのくらい手間がかかっているの?」

  • 「田んぼって、お米を作るだけの場所なの?」

そんな疑問を持っている方に、
米づくりの一年の流れや、田んぼが持っているたくさんの役割をお届けします🌱


1. 米づくりは“冬の準備”から静かにスタート❄️

田んぼと聞くと、青々とした夏の稲穂や、黄金色に染まる収穫期をイメージする方が多いと思います。
でも実は、米づくりのスタートはもっとずっと早く、冬のうちから始まっているんです。

冬の田んぼでは、

  • 収穫後に残ったわらや株をすき込んで土に返す

  • 土を寝かせながら、排水や水路の状態を整える

  • 春の代かき・田植えに向けて機械のメンテナンスをする

といった作業が行われています。

雪が積もる地域では、
「今年は水が多めになりそうだな」「雪解けが早そうだな」
と、翌年の水管理のことも頭に入れながら過ごします☃️

米づくりにとって、“水”は命。
どのタイミングで、どのくらい水が入ってくるかをイメージしながら冬を過ごすのも、
米農家の大事な仕事なんです💧


2. 春、苗づくりから始まる“いのちのリレー”🌱

春が近づくと、いよいよ苗づくりが始まります。
ここからは、少しだけ時系列でご紹介します⏰

① 種もみの選別と温湯消毒

まずは、お米の“タネ”である種もみを選びます。
よく実の入った種を選び、

  • 温湯(おんとう)で消毒して病気予防

  • 水に浸して発芽の準備

を行います。

この段階での管理が甘いと、
発芽が揃わなかったり、病気のリスクが高くなったりするので、
地味ですがとても大切な工程です✨

② 育苗(いくびょう)トレーにまいて、ハウスへ🚜

その後、
育苗箱(苗箱)に土と種もみを均一にまき、
ビニールハウスや育苗ハウスの中でじっくり育てていきます。

  • 夜は冷えすぎないように

  • 昼は蒸れすぎないように換気をして

  • 水やりのタイミングや量を調整

この時期は、毎日苗の様子が気になって、
ついつい何度もハウスを覗きにいってしまいます👀

しっかりとした苗が育てば、田植えはもう半分成功したようなもの。
それくらい、苗づくりは米づくりの土台なんです🌱


3. 田植えは“チーム戦”!みんなで迎える大仕事🚜💨

田んぼに水を張り、代かきを終えたら、いよいよ田植えです。
今は田植え機がありますが、それでも田植えの数日はとても忙しく、**まさに“農家総出のイベント”**になります。

  • 苗を軽トラックに積んで田んぼへ運ぶ人

  • 田植え機に苗を補給する人

  • 田植え機を操作する人

  • 予備の苗やガソリン・肥料などを準備する人

家族や親戚、ご近所さんに手伝ってもらうことも多く、
田植えが終わるころには、
「おつかれさま!」とみんなで笑い合うのが恒例です😄

田植え機が走ったあと、
真っ白な水面に整然と並ぶ小さな緑の列。
あの景色を見ると、
「今年もいよいよ始まったな」と、身が引き締まる思いがします✨


4. 夏は“水・草・病気”との戦い💧🌿🦠

田植えが終われば一安心…
と言いたいところですが、ここからが本当の勝負です。

💧 水管理

  • 深水にする時期

  • 浅くする時期

  • 中干し(いったん水を抜いて土を固める)

田んぼの状態や天候を見ながら、日々水位を調整していきます。
「今年は雨が多いから、排水を気を付けないと」
「暑さが続くから、水を切らさないように」

こうした判断を繰り返しながら、
稲が一番力を発揮できるようにサポートしていきます🌞

🌿 雑草との戦い

田んぼの中だけでなく、
あぜや水路にも草が生えてきます。

  • 放っておくと、水の流れを塞いでしまう

  • 虫や病気の温床になる

などの問題があるため、
草刈り機を背負ってあぜ道を何往復もします。
真夏の草刈りはとにかく暑いですが、
きれいに刈り終えたあぜ道を見ると、どこか誇らしい気持ちになります😊

🦠 病害虫のチェック

  • 葉が黄色くないか

  • 斑点や病斑が出ていないか

  • 穂が出るタイミングでのいもち病やカメムシの被害

など、日々稲の様子を観察します。
異変があれば早めに対処し、稲穂に実がしっかり入るように守っていきます。


5. 秋、黄金色の田んぼで迎える“収穫のとき”🍂🍚

夏を乗り越えて、
田んぼ全体が黄金色に染まり始めると、いよいよ収穫の時期。

  • 穂がしっかり垂れているか

  • 籾の色・水分量はどうか

  • 台風の予報はないか

などを見ながら、コンバインで刈り取るタイミングを決めます。

収穫の日、田んぼに立つと、
風が吹くたびに穂がサラサラと音を立てて揺れます。
その景色は何度見ても感動的で、
「今年もここまで来られたな」と、胸がいっぱいになります🌾

コンバインで刈り取った籾は、乾燥機で水分を調整し、
もみすり・精米を経て、ようやく皆さんのもとへ届けられる“白いお米”になります。


6. 田んぼは「お米工場」であり「自然のダム」でもある🌿💧🦆

米農家として感じているのは、
田んぼはお米を作るだけの場所ではないということです。

  • 雨が降ったとき、一時的に水をためてくれる「小さなダム」

  • カエルやトンボ、野鳥など、たくさんの生き物のすみか

  • 夏には地面の温度を下げ、涼しい風を運んでくれる“天然のクーラー”

田んぼがあることで、
地域の景色が守られ、生き物の多様性が保たれ、
水害の緩和にも一役買っています🦆

「田舎の風景」といってしまえばそれまでですが、
その裏側には、
毎年田んぼを守り続けている農家の手間と想いが詰まっているんです。


7. お米を“選ぶ”ことは、田んぼと地域を応援すること📣

スーパーに並ぶお米を手に取るとき、
「産地」や「生産者の名前」を見てくださる方が増えてきました😊

  • 地元産のお米

  • 顔写真やメッセージの入った生産者表示

  • 農薬や肥料の使い方を工夫したお米

そういったお米を選んでいただけることは、
私たち農家にとって本当に大きな励みになります✨

お米を選ぶことは、

  • その田んぼを来年も維持すること

  • その地域の水・生き物・景色を守ること
    にもつながっていきます。

「いつも同じ銘柄のお米だけど、たまには違う産地も試してみようかな?」
「地元のお米を買ってみようかな?」

そんな小さな一歩が、
農家と田んぼにとっては大きな一歩になるんです🚶‍♀️🚶‍♂️


8. 麦と米、二つの“いのち”を育てる農家として🌾🍚

私たちは、

  • 秋から初夏にかけて麦を育て

  • 春から秋にかけて米を育てる

というサイクルの中で一年を過ごしています。

忙しい日々の中でも、

  • 初めて芽が出たときのうれしさ🌱

  • 青く広がる田んぼを眺める気持ちよさ🌿

  • 夕焼けに染まる麦畑・稲穂の美しさ🌇

そうした瞬間があるからこそ、
「また来年も頑張ろう」と思えるのだと思います。


9. 最後に…今日の一膳に“ありがとう”を🙏

今日、みなさんが食べたお茶碗一杯のごはん🍚
その一粒一粒には、

  • 冬からの準備

  • 春の苗づくり

  • 夏の水管理や草刈り

  • 秋の収穫

たくさんの季節と、たくさんの人の手間が込められています。

「いただきます」や「ごちそうさま」という言葉は、
食べ物そのものだけでなく、
そこに関わったすべての命や人に向けた言葉でもあると、
農家としてあらためて感じています😊

これからも、
安心して毎日食べられる“おいしいお米”と“国産の麦”を届けられるように、
一つひとつの作業と向き合いながら、畑と田んぼに立ち続けていきたい
と思います🌈

もしどこかで、
麦やお米を見かけたら、
「ブログを書いていたあの農家かな?」と、
ちょっとだけ思い出してもらえたら嬉しいです😉✨