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皆さんこんにちは!
小浜あぐり合同会社、更新担当の中西です。
本日は、大豆の品種の中でも特に「豆腐に向いている」と評価される、**フクユタカ(福豊)**という大豆品種についてご紹介します。
豆腐・油揚げ・納豆など、日本人の食卓に欠かせない大豆製品。
その美味しさと品質を左右するのが、実は「どの品種の大豆を使っているか」によって大きく変わるのです。
フクユタカ(福豊)は、1990年代から全国的に栽培されている高タンパク大豆品種です。
その名のとおり「福(幸福)」と「豊(豊かさ)」を兼ね備えた、まさに“縁起のいい大豆”。
主な栽培地域は:
九州(特に福岡・佐賀・熊本)
四国地方
関西以西の温暖な地域
として広く根づいており、収量性の高さ・加工適性の良さ・安定した品質から、豆腐屋さんや食品メーカーからも長年にわたって支持され続けています。
フクユタカ最大の特徴は、なんといっても**タンパク質含有量の高さ(約43〜45%)**です。
これは、一般的な大豆(40%前後)と比べても、非常に高水準!
タンパク質が多いと何が良いのか?
➡ 豆乳をにがりなどで固める際、豆腐としての“凝固力”が高くなるため、
しっかりとした硬さ・密度のある豆腐がつくりやすいのです。
豆腐づくりの現場では、「大豆からどれだけ豆腐が取れるか=収率」も重要な指標です。
フクユタカは、吸水性が良く、搾った際の豆乳濃度も高いため、製品収量が多くなる傾向があります。
つまり、同じ量の大豆を使っても、“取れる豆腐の量が多い”=コストパフォーマンスが高いというわけです。
そのため、大量生産を行う豆腐メーカーや食品加工業者にとっても非常に扱いやすい品種といえます。
フクユタカは高タンパクながらも、風味がマイルドでクセが少ないのも特徴のひとつ。
大豆臭さが抑えられている
舌触りがなめらかで口当たりが良い
塩・出汁など他の素材との調和性が高い
といった点から、絹ごし・木綿どちらにも適応できる万能型。
さらに、油揚げ・がんもどき・厚揚げなどにも加工しやすく、プロの現場でも重宝されています。
農家目線で見ると、フクユタカには以下のような栽培メリットがあります:
生育が安定しており、多収性
病害に比較的強く、倒伏にもやや耐性あり
熟期が早めなので、二毛作にも組み込みやすい
一方で、「粒ぞろい」や「色ムラ防止」などには丁寧な管理が求められるため、適期播種・適正施肥・収穫タイミングの見極めがカギとなります。
豆腐職人・加工業者・農家、それぞれの立場から見ても、
フクユタカは**「収量が高く、加工しやすく、美味しい豆腐ができる」三拍子そろった優等生大豆**です。
これから豆腐づくりにチャレンジしてみたい方、あるいは新たな大豆品種をお探しの農家さんにとっても、
**「まずはフクユタカを使ってみる」**というのは間違いのない選択と言えるでしょう。
高品質な豆腐を支える、目立たぬ主役――
それがフクユタカなのです。
次回もお楽しみに!