
皆さんこんにちは!
小浜あぐり合同会社、更新担当の中西です。
~パンも麺もここから生まれる!🌾~
今日はその中でも、麦農家としての一年の仕事や、国産小麦に込めている想いをお話ししてみたいと思います。
スーパーの棚には当たり前のように並んでいるパンや麺、焼き菓子たち。
実はその一枚一枚、一口一口の“元”になっているのが、私たちが育てている麦なんです🌾🥐
「小麦って、いつ種をまいて、どんなふうに育てているの?」
「国産小麦って、輸入小麦と何が違うの?」
そんな疑問をお持ちの方に、現場目線で分かりやすくお届けしていきます✨
目次
麦と聞くと、なんとなく「初夏の黄金色の景色」をイメージする方が多いかもしれません。
でも実は、私たち麦農家の一年は“秋”から本格的にスタートします。
秋のはじめ、稲刈りがひと段落する頃から、
麦をまく畑の準備が始まります🚜
稲を刈り取った後の田んぼを乾かす
トラクターで耕して、残った稲わらをすき込む
必要に応じて石灰や堆肥をまいて、土の状態を整える
ここまでやって、ようやく麦の“ベッドづくり”が完了です。
この土づくりの段階で手を抜くと、
春になってから麦がうまく育たなかったり、病気が出やすくなったりするので、実はとても大事な工程なんですよ😊
畑の状態が整ったら、いよいよ播種(はしゅ:種まき)です。
麦の小さな種を、専用の機械で等間隔にまいていきます。
播種後、しばらくすると、
ひょこっとかわいい芽が顔を出します🌱
この時期の麦畑は、うっすらと緑色のじゅうたんのようで、とてもきれいです。
そこから冬にかけて、麦はゆっくりと成長します。
寒さの中でじっと耐えながら、根をしっかりと張り巡らせ、
春に一気に伸びるための“準備運動”をしているようなイメージです💪
やがて春になると、
茎がぐんぐん伸び
穂が顔を出し
緑色から少しずつ黄金色へ
田んぼの緑が深まる頃には、麦畑はまるで金色の波のように揺れ始めます。
この初夏の季節を、私たちは**「麦秋(ばくしゅう)」**と呼んでいます。
“秋”という漢字がついていますが、実際は初夏。
麦にとっての「実りの秋」が、この時期に訪れるというわけですね😊
麦づくりで難しいのは、天気に左右されることがとても多いところです。
播種のタイミングで大雨が続く
冬場に雪が多すぎて苗が傷む
春の長雨で病気が出やすくなる
収穫前に大雨や強風が来る
こうしたことが重なると、
せっかく育ててきた麦が倒れてしまったり、
品質が落ちてしまうこともあります💦
また、麦は**病気(さび病・うどんこ病など)**や
雑草との競争にも弱い一面があります。
病気がひどいと、穂が十分に実らず収量ダウン
雑草が生い茂ると、養分や光を奪われてしまう
そのため、
播種の深さや間隔を調整して、強い苗を育てる
土の状態を良くして、病気の出にくい環境を整える
雑草が大きくなる前に対策を打つ
など、日々の小さな工夫の積み重ねがとても大事になってきます🌱
「小麦はほとんど輸入なんでしょう?」
そう思っている方も多いと思います。
たしかに、日本の小麦自給率はまだ高くはありません。
でもその中で、
**“あえて国産小麦を選んでくださるパン屋さん・製麺所・お菓子屋さん・ご家庭”**が増えています😊
国産小麦には、こんな魅力があります👇
産地や生産者の顔が見える安心感👨🌾
品種ごとの個性(香り・甘み・モチモチ感)が分かりやすい
輸送距離が短く、フレッシュな状態で届きやすい
地元で育てた小麦を、地元のパン屋さんやうどん屋さんが使ってくれる“地産地消”
パンに向いた品種、麺に向いた品種、お菓子に向いた品種など、
最近は日本各地で個性的な小麦の品種も増えてきています。
私たちの地域でも、
パン屋さん向けの小麦
うどん・ラーメン用の小麦
といった形で、用途を意識した栽培に取り組んでいます🍞🍜
収穫が近づいた麦畑に立つと、
風に揺れる穂の“ザワザワ…”という音が聞こえてきます。
ひとつの穂にはびっしりと実がつき、その一粒一粒が半年以上かけて育ってきた“命”のように思えてくるんです。
秋に種をまいた日
冬の寒さを耐えた景色
春の強風に耐えながら伸びていく姿
病気が心配で、葉をじっと見て回った日
そうした日々を思い出しながら、
コンバインで麦を刈り取る瞬間は、何度経験しても胸が熱くなります。
収穫した麦は乾燥・調整を経て、製粉会社さんへ。
そこからパン屋さん、うどん屋さん、お菓子屋さん、そして皆さんの食卓へとバトンが渡っていきます🍽️
私たちは普段、
お店に並んだパンやパスタを見るたびに、
「この一部には、うちの麦も入っているかな?」と想像してしまいます😌
私たちの地域では、
**「米→麦→また米」**というように、
一年の中で田んぼをフル活用する“二毛作”を行うことも多いです。
秋に稲刈りをする
そのあとすぐに麦をまく
初夏に麦を刈り取る
その後ふたたび田植えをする
こうすることで、
土地を有効に活用できる
作物の種類を増やして、収入の柱を分散できる
麦と稲、それぞれの根やわらが土を豊かにしてくれる
といったメリットがあります🌱
ただし、
作業の切り替えが早く、体力的にはハードな一年でもあります💦
それでも、麦と米、両方の収穫を迎えたときの達成感は格別です✨
最後に、麦農家としてお伝えしたいことをいくつかまとめてみます👇
パンや麺、お菓子を食べるとき、「どんな小麦でできているんだろう?」と少しだけ想像してみてほしい😊
国産小麦を使っているお店を見かけたら、それは農家にとっても大きな励みです💪
麦畑の黄金色の景色を見かけたら、「今、ちょうど麦の収穫時期なんだな」と思い出してもらえたら嬉しいです🌾
私たちは、
“毎日の何気ない一口”を支えるために、季節ごとに違う景色の中で黙々と麦を育てています。
これからも、
安心しておいしく食べてもらえる麦づくりを続けていきますので、
もしどこかで「国産小麦使用」の文字を見かけたら、
その裏側にいる農家のことも、ほんの少しだけ思い浮かべてもらえたら嬉しいです🌈
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