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小浜あぐりの米米日記~“土と水”~

皆さんこんにちは!

小浜あぐり合同会社、更新担当の中西です。

~“土と水”~

麦と米の二毛作・輪作は、収量の安定土づくりを同時に進める最強の型。鍵は、水はけ×踏圧×肥料のタイミング。現場でそのまま使える年間カレンダー・肥培管理・病害虫対策・乾燥調製をまとめました。️✨


1|年間カレンダー(平地温暖地の一例)️

  • 10–11月:麦まき→初期除草→土壌酸度点検(pH)

  • 12–2月:麦の分げつ管理→追肥①(分げつ促進)

  • 3–4月:麦 追肥②(穂肥)→倒伏対策/水田代かき準備

  • 5–6月:麦収穫→速乾・搬出→わら処理→田植え準備

  • 6–7月:田植え/活着~分げつ→中干し

  • 8–9月:穂揃い~登熟→落水→稲刈り→乾燥・調製・低温保管

ポイント:麦収穫〜田植えまでの“段取り勝負”。わら処理→代かきまでの滞留ゼロで根張りが変わる。


2|土と水の設計図

  • 排水性:畦畔の目詰まり解消、暗渠・明渠の見直し。タイヤ踏圧の回避導線を確保。

  • pH:弱酸性を目安に。麦偏りの田面は石灰資材で補正、米偏りはケイ酸補給で稲姿を整える。

  • 有機物:稲わら・麦稈は細断&浅鋤きでガス害回避。C/Nを意識し窒素飢餓を予防


3|品種と作型のコツ

  • :用途(パン・中華・菓子)でタンパク設計を変える。倒伏に強い系統を選び播種量は控えめで分げつを活かす。

  • :作期高温リスクに備え耐倒伏・高温耐性も加味。移植/直播は圃場の排水・作業人員で選択。

  • 二毛作の相性麦→水稲で土が締まりやすい圃場は中干しを丁寧に


4|肥培管理(現場目安)

    • 追肥①:分げつ期に控えめ+均一根元密集を防ぐ

    • 追肥②(穂肥):ムラなく薄く。倒伏しやすい圃場は減肥+調整剤

    • 元肥:苗の勢い>量。過繁茂は倒伏の元

    • 追肥:幼穂形成期~穂揃いに狙い打ち。食味狙いは過タンパク回避

合言葉は**“薄く・均一・時期厳守”**。一度に多く入れない。⏱️


5|病害虫・雑草の勘どころ

  • :うどんこ・赤かび→風通し&均一播種/雨前の防除計画

  • :いもち・カメムシ→窒素過多回避/出穂期の見回り強化

  • 雑草:初期除草が肝。播種・移植の前後“時間窓”を守るだけで後半が楽に。


6|収穫・乾燥・調製・保管 ❄️

  • 刈り取り:倒伏圃場は風向き&刈り順でロス削減。

  • 乾燥:急乾は割れ・品位低下のもと。段階乾燥で芯水を抜く。

  • 調製:選別は歩留まりより“整粒感”

  • 保管低温・低湿・暗所。玄米は低温庫、粉は密閉+冷暗で虫害対策。


7|現場チェックリスト ✅

  • ☐ 暗渠・畦畔の通水/タイヤ走行ライン

  • ☐ pH/有機物バランス/ケイ酸の手当て

  • ☐ 播種量・条間・代かきの均一性

  • ☐ 追肥の“量よりタイミング”記録

  • ☐ 収穫水分・乾燥ログ・低温庫温湿度


まとめ
**土=排水、作物=過繁茂回避、収穫後=低温保管。この“3本柱”だけで歩留まりと評価は上がります。次回の施肥は“薄く・均一・時期厳守”**で。